あなたの中にもある?愛されるいい女vs都合のいい女
クレオパトラにみるいい女とは


有名な言葉に、クレオパトラのお鼻がもう1センチ低かったら、
世界の歴史は変わっていたかもしれない・・。」

 
つまり、あんなに綺麗じゃなかったら、
エジプト王朝は守れなかったはずだ、と言う意味ですね。

 
でも、本当にそうでしょうか?

確かに美しさは貴重ですし、時には武器にもなるでしょう。

でも本当に歴史を変えたのは、
並外れた彼女の知性なのです。

エジプトの最後の王家、プトレマイオス王朝。
王家の次女、クレオパトラは、17歳の時に9歳の弟、
プトレマイオス13世と結婚します。
案の定、気が強くて才気煥発なクレオパトラに弟が反抗、
「姉ちゃんなんか死んじまえ!」と周りの宦官といっしょに
はやし立てました。激怒したクレオパトラはなんと軍を率いて
弟を責め殺そうとし、朝廷への謀反者として
反対に国境に追い詰められます。後は殺されるだけ・・・。


そのころ、
腐敗したエジプト王朝を乗っ取る ために、 シーザーの率いる ローマ軍勢の元に質素な「宅配便」の袋が届くのです。

シーザーの目の前で出てきたのは、
エジプト王妃、クレオパトラでした!
彼女は涙ながらに弟の不実を訴え、
殺されない様にかくまって欲しいと訴えます。  
そして初めてであった彼女に、
シーザーはたちまち惹かれて行きます

余談ですが、当時、53歳というシーザーの年齢も大切なポイントで、中年を過ぎると男性ホルモンの代表、テストステロンは減少し、攻撃したり、征服したいという欲望が減るそうです。代わりに感情のやりとりをし、物事のプロセスを大切にするようになると。酸いも甘いもかみ分ける、と言うわけですね。

国に追われ、死ぬ運命の女が、捨て身になって皇帝にじか談判を試み、 最後の望みをかけて涙で命乞いをしたその憐れさに心打たれた、と解釈した方が自然なようですが、あのクレオパトラが、徹底的に「劣位の女」になることを覚悟できたのは、勇気と知恵の賜物です。

もちろん、彼女が平均かそれ以下のルックスなら、
このシチュエーション、かなり無理があったのでしょうが。

 
しかもクレオパトラのとどめの一言が、

「奥さんになれなくて良いの。あなたの赤ちゃんが欲しいわ。
助けてくれたお礼に、 エジプトに、あなたの血を残したくて。」

 
なんて可愛いけなげな女だろうと、シーザーは目をウルウルさせたそう。
でも、こ れも彼女の計算だというのは、おわかりになるでしょう?

男性にとって自分の遺伝子を身ごもった女性は貴重品。
彼の子を産めば、安全を保障されたも同然です。
捨てられる事もないと、にらんだのです。  
斯くして、シーザーは彼女を全面援助し、
あっという間に弟達を抑えこんで殺させ、
クレオパトラはエジプトの女王になりました。

知性のある女が、いったん劣位の女に甘んじ、
ついにローマ皇帝を依存させたという、
「プライドを捨てる」知恵と勇気の勝利とも、いえますね。

知恵と勇気があれば、
最強の女の武器の使い方が出きると言うことです。。